動注治療

動注治療とは

動注治療(動脈注射療法)は、炎症が起きている部位に発生した異常な血流(モヤモヤ血管)に対して、腕や脚の動脈から薬剤を注入し、異常血管を塞栓する物質を流すことで炎症を鎮める新しい治療法です。この治療法はオクノクリニックの奥野祐次先生によって2014年に開発されました。
今までの整形外科診療でも炎症部には、滑膜炎を生じていることから異常な血流が発生していることはわかっていましたが、治療はステロイドの局所注射や関節鏡での滑膜切除術などしか選択肢がありませんでした。ステロイドは症状が再発しやすく、関節鏡に至っては手術であることから敷居が高く、どちらも程よい治療ではないのかなと思います。また末梢のへバーデン結節に至ってはステロイドも滑膜切除も治療部位が狭くかなり適応が難しいと考えられていました。
今回、奥野先生が開発された動注治療は自由診療であるというハードルはありますが、疼痛改善効果を認める割合が非常に高く、かつ5分程度の手技で終了することから大変素晴らしい治療であると私は感銘を受けました。
動注治療とは
提供元:Okuno Clinic. 奥野 祐次医師
当院はいしばし整形外科としてオクノクリニックより正式なライセンス契約のもと導入しています。従来の関節内注射とは異なり、血管を介してアプローチする点が特徴で、痛みの原因である血流の異常に働きかけます。
もちろん治療後は、再燃防止に関節の異常について根本的にアプローチするリハビリや装具など従来の保存治療も行うべきだとは考えております。

対象となる代表的な疾患

現在、当院では以下の疾患を中心に動注治療を行っています。
その他、手や指の慢性炎症・関節痛なども対象となる場合があります。診察にて状態を確認し、最適な治療方法をご提案いたします。
エコー
提供元:Okuno Clinic. 奥野 祐次医師
今後も、適応疾患を順次拡大予定です。
今後追加予定の疾患です。
  • 外反母趾の痛み
  • アキレス腱炎
  • 足底腱膜炎
  • 変形性膝関節症

治療効果について

以下は、オクノクリニックで治療された患者様の治療後1年までの疼痛スケールを用いたアンケート結果です。約75%の方において、少なくとも治療前よりは痛みが改善をしたという評価をされていました。
へバーデン結節に対するアンケート研究
提供元:Okuno Clinic. 奥野 祐次医師

動注治療の流れ

問診・診察
まずは、患者さんの症状と痛みの箇所を問診でお聞きします。モヤモヤ血管の有無を調べ、動注治療の適応かどうかを診断します。複数の指の痛みにも対応可能です。
施術
  • 薬剤投与前に局所麻酔を血管周囲に追加することがあります。
  • 極めて細い注射針(27G)を使用し、痛みが少ないように配慮しています。
  • 超音波で確認しながら動脈内に注射針がしっかりと挿入されていることを確認し、薬剤を流します。
    (薬剤投与後は、手先まで熱いと感じたり、ピリピリした感覚を生じたりしますが3−5分ほどで落ち着きます。)
  • 治療時間は、5分程です。
圧迫止血
針抜去後は3分程圧迫止血して終了します。
治療後は制限なく、通常通りの生活を送ってもらって問題ありません。

副反応について

動注治療後の比較的すぐのタイミング(投与後10分以内くらい)に、薬剤が流れた部位に、一時的に皮膚の色調変化や、膨隆疹、痛み、違和感を認めることがあります。しかしこのような早いタイミングに生じる変化(即時型の変化と呼びます)は、特に治療をしなくても短時間で終わるものがほとんどで、一般的には数十分で改善します。重篤なものではないので、ご心配なさらないでください。

費用について

ヘバーデン結節、CM関節症への動注治療
※片手におさまっていれば痛い指が複数あっても片手料金です。痛みが両手におよぶ場合は両手料金になります。
片手:27,500円(税込)
両手:38,500円(税込)
テニス肘、ゴルフ肘、ドゥケルバン腱鞘炎への動注治療 片腕:33,000円(税込)
両腕:44,000円(税込)
足底腱膜炎、外反母趾、アキレス腱炎、痛風への動注治療 片足:33,000円(税込)
両足:44,000円(税込)