手の疾患
手の疾患
手の使いすぎやケガなどで手や手首、指などが痛むということはありませんか?
手の疾患は、妊娠出産期や更年期などのホルモンバランスの変化が原因の場合もあります。また、仕事やスポーツで手を酷使される方には多く見られる疾患でもあります。治療を行うと、痛みが驚くほど改善する場合があります。ご相談ください。

手の痛みに関する主な疾患

ばね指

どんな病気?

指を使った細かい作業(裁縫など)を繰り返し行うことで、手のひら側の指の付け根が痛くなる疾患です。名前の通り、一度指を曲げてから伸ばそうとするとバチンとスナップする動きを認めます。指を曲げる腱を包むトンネルが分厚くなることでおきる腱鞘炎です。

治療法は?

初期の初期であれば、その原因となった動作を制限し、湿布を貼ることなどで良くなることがあります。しかし一番頻度の高い治療は、強い痛みを認める部位にケナコルト(ステロイド:抗炎症作用)を局所麻酔と混ぜて打つことで、症状は数日で治ります。再発を繰り返す場合は、局所麻酔をした後に、小切開で肥厚したトンネルを切除する手術を行うこともあります。最近では、衝撃波も効果があると言われております。基本的には、いずれかの治療で完治することが期待できますので、ご相談いただけましたら方針を立てさせていただきます。

へバーデン結節

どんな病気?

指の第1関節がブクッと膨れた変形をきたす疾患です。最初は突然第1関節の背側の両端が腫れて、その後は炎症を繰り返し起こしながら関節を破壊していきます。

治療法は?

予防や初期であれば、大豆から抽出されたイソフラボン由来の成分で作成されたエクエル(大塚製薬)が効果があります。エクエルで予防ができない症例においては、漢方薬(桂枝茯苓丸など)の一部が比較的良く効きます。他には、地味ですがテーピングなどの固定も効果が期待できます。3ヶ月ほどで、変形を残しながらで治癒していく疾患ですが、できれば女性の方であれば指の変形は非常に不快だと思われますので、早めにご相談いただけましたら治療のお手伝いができるかもしれません。

手根管症候群

どんな病気?

細かい作業で手をよく酷使する人に起きやすい病気で、掌側の親指から薬指の親指側半分に痺れをきたします。長い期間放置して進行すると、指が曲げにくくなったり、親指と人差し指で物をつまむ動作が困難となってきます。痺れは、感覚の鈍さとして自覚したり、ジンジンした痛みとして自覚したりします。他にも透析の長い方や、糖尿病がある方は発症しやすいと言われています。

治療法は?

原因が手の酷使であれば、まずそれを控えてもらいます。手の安静で軽快しない場合は、1、2回だけ手根管内や関連する筋膜に対してハイドロリリースやステロイドの注射を施行することを選択するかもしれません。それでも改善がない場合や、初診時から母指球筋の萎縮があるような方には、手術をご案内すると思います。手術は手根管症候群の原因である、正中神経を圧迫している掌側の手基部にある横手根靭帯を切開します。切開方法は、直上切開法と少し離れた位置から小切開で行う関節鏡視下手術法の2通りがあります。どちらを選択するかは手術を行う病院で改めて聞いていただくことになりますが、当院ではまずは手術に至らず済むようにしっかりとした安静の指導及びリハビリを行い、手術になった際も術後のリハビリを担当させていただいて皆様の早期日常生活への復帰をサポートしたいと考えております。