– 腰の痛みや症状で困っているかた –
腰痛は、画像だけでは説明できないことも少なくありません。
当院では、痛みのある部位だけではなく、身体全体の動きの中で原因を考えることを大切にしています。
そして、どの組織が痛みの中心になっているのかを整理することを重視しています。
「年齢のせいかもしれない」
「このくらいなら様子を見よう」
そう思いながら、痛みを抱えて生活している方も多いと思います。強い痛みでなくても、状態を確認するだけでも大丈夫です。腰痛と一言でいっても、原因や状態は人それぞれです。強い痛みでなくても構いません。今の状態を確認し、どう考えていくかを一緒に整理していきます。
こんな症状はありませんか?
- 長く腰痛が続いているが、原因がはっきりしない
- MRIやレントゲンでは大きな異常がないと言われた
- ぎっくり腰を繰り返している
- 腰だけでなく、お尻や脚にも痛みやしびれがある
- 何をすると悪化するのか分からない
- 治療を続けているが、すっきりしない
腰痛は、一つの原因だけで起きているとは限りません。
現在の状態を整理しながら、治療の選択肢を一緒に考えていきます。
腰の痛みに関する主な疾患
慢性腰痛(原因がはっきりしない腰痛)
どんな病気?
慢性腰痛は画像上ははっきりしないことも多いですが、実際には
- 椎間関節性腰痛
- 筋筋膜性腰痛(滑走障害)
- 神経感作
- 仙腸関節障害
- 股関節や骨盤の影響
など複数の要因が関与していることがあります。
当院の診察の考え方
当院では慢性腰痛を「どの層・どの組織が痛みを出しているか」という視点で考えます。
- 伸展回旋で増悪→椎間関節由来を疑う
- 局所圧痛と滑走不良→筋膜由来を考える
- 下肢症状優位→神経根評価
動作再現、圧痛、姿勢分析を組み合わせて判断します。
治療
保存療法を基本とします。
滑走障害が強い場合はエコーで状態を確認し、
ハイドロリリースを検討します。
椎間関節由来が疑われる場合は診断的ブロックを行うことがあります。
理学療法士と連携し、再発予防まで含めて対応します。
まとめ
慢性腰痛は、一つの原因だけで説明できないことが多い症状です。
現在の状態を整理しながら治療を組み立てていきます。
急性腰痛症(ぎっくり腰)
どんな病気?
重い物を持ち上げたときや体をひねった動作などをきっかけに、突然強い痛みが出る状態です。
急な負荷により、筋膜損傷・靱帯損傷・椎間関節炎などを生じることで起こります。
当院での考え方・治療の特徴
当院では、「ぎっくり腰」と一括りにせず、どの動作で痛みが出るかをしっかりと確認します。症状が強い場合には、エコーガイド下での注射治療(
ハイドロリリースや椎間関節ブロックなど)を検討することもあります。
再発を繰り返す場合は、リハビリを行うこともあります。
まとめ
多くの場合、保存的治療で短期間での改善が期待できます。
状態を確認しながら対応していきます。
腰椎椎間板ヘルニア
どんな病気?
椎間板が突出し神経を刺激することで、腰から脚にかけての痛みやしびれが出る状態です。
痛みが強く不安になることもありますが、ヘルニアはタイプによって経過が異なり、時間の経過とともに小さくなり、症状が軽くなることがあります。
一方で、すべてのヘルニアが同じように自然退縮するわけではなく、症状や経過をしっかりと確認することが重要と考えています。
一般的な治療
当院での考え方・治療の特徴
当院では、まず保存療法を基本に経過をみます。
症状の程度や神経症状の変化に応じて、MRIなどの画像検査を検討します。
神経症状が強い場合には、エコーガイド下で神経根ブロックを行うことがあります。
保存療法を十分に行なっても、痛みやしびれが強い場合や、筋力低下がある場合には、手術が必要かどうかを慎重に判断した上で病院へのご紹介をすることもあります。
まとめ
椎間板ヘルニアは、時間の経過とともに症状が改善することもありますが、経過には個人差があります。
現在の症状や生活への影響を確認しながら、適切な治療方針を検討していきます。
腰部脊柱管狭窄症(LCS)
どんな病気?
加齢などにより脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて痛みやしびれが出る状態です。
歩くと悪化し、休むと楽になる『間欠性跛行』が特徴です。
当院での考え方・治療の特徴
腰部脊柱管狭窄症は、画像上の変化が背景にあるため、根本的な治療としては手術が選択肢になることが多い疾患です。ただし、すべての方がすぐに手術の適応になるわけではありません。
当院では、
- 歩ける距離(どの程度で症状が出るか)
- しびれや痛みの出方
- 筋力低下の有無
- 日常生活への影響
などを確認した上で、まずは保存療法で症状の緩和を目指します。
治療は内服・リハビリを基本とし、必要に応じてエコーガイド下での注射治療(神経根ブロック、仙骨裂孔ブロックなど)を組み合わせて対応します。
一方で、歩行距離が極端に短くなってきた場合や、筋力低下が進んでいる場合には、手術も含めて病院へのご紹介を検討します。
まとめ
腰部脊柱管狭窄症は、根本的には手術が治療となることが多い疾患ですが、症状や生活状況に合わせて保存的に経過をみることも少なくありません。
現在の状態を評価しながら、無理のない現実的な治療方針を一緒に考えていきます。
腰椎分離症・すべり症
どんな病気?
腰椎に繰り返し負担がかかることで生じる状態です。
画像で指摘されても、それ自体が症状の原因とは限りません。
一般的な治療
当院での考え方・治療の特徴
当院では、画像だけで判断せず、症状の出方や動作との関係を重視します。
必要に応じてエコーガイド下での注射治療(
ハイドロリリースや椎間関節ブロックなど)を検討します。
まとめ
画像所見よりも「いま出ている症状」を中心に、治療を整理していきます。
仙腸関節障害
どんな病気?
慢性的な腰痛やお尻の痛みの原因として、見逃されやすい状態です。
腰椎MRIで異常が少ないにもかかわらず強い痛みが続く場合、仙腸関節が原因となっていることがあります。
一般的な治療
- 内服治療
- リハビリテーション
- 必要に応じた注射治療
当院での考え方・治療の特徴
当院では、痛みの部位と動作での再現性を確認しながら診断します。治療はまずリハビリを中心に、仙腸関節にかかる負担を軽減することを考えます。その上で、関節由来の痛みが強い場合には、エコーガイド下での仙腸関節ブロック注射を検討します。
まとめ
画像だけでは分かりにくい腰痛の原因の一つです。腰椎だけに原因がないケースもあるため、必要に応じて評価します。
梨状筋症候群
どんな病気?
お尻の深部の筋肉により坐骨神経が刺激され、お尻から脚に痛みやしびれが出る状態です。立ち仕事がメインの方、しゃがんでの作業が多い方などお尻の筋肉に負担がかかりすぎていると発症することがあります。
一般的な治療
当院での考え方・治療の特徴
梨状筋症候群は、腰椎疾患に伴って生じることが多い疾患です。
そのため、まず腰椎由来の坐骨神経痛との鑑別を行います。
治療では、原因となっている動作をどう避けるかを一緒に考えながら、リハビリで臀部の筋肉の緊張を緩めていきます。
必要に応じて、エコーガイド下での
ハイドロリリースを検討することがあります。
まとめ
慢性腰痛の中に含まれていることも少なくありません。鑑別が大切ですが、きちんと治療すれば改善が期待できることが多い疾患です。
最後に(腰痛治療について)
腰痛は、一つの病名だけで説明できないことも多く、複数の要因が重なって症状が出ていることがあります。
当院では、
- どの組織が痛みの中心になっているか
- 動作や生活背景との関係
- 画像所見と症状が一致しているか
を整理しながら、保存療法を基本に治療方針を組み立てていきます。
無理に治療を進めることはありません。
まずは、現在の状態と原因を一緒に整理するところから始めていきます。腰痛は同じように見えても背景が違うことが多いため、まずはそこを確認するところからになります。
よくあるご相談(Q&A)
- 画像で異常がないと言われました。それでも診てもらえますか?
- はい。腰痛は画像だけでは説明できないこともあります。動きや痛みの出方を確認して、考えどころを整理します。
- 手術を勧められました。まず相談だけでもいいですか?
- 大丈夫です。いまの症状と生活への影響、神経症状の有無を確認したうえで、保存でいけるのか、紹介が妥当かを一緒に整理します。
- 注射は必ず必要ですか?
- 必ずではありません。保存療法を基本に考えます。筋膜の滑走不良などが強く関与していそうなときに、選択肢として検討します。
- 早めに来た方がいい症状はありますか
- 足のしびれが強くなっている、力が入りにくい、歩ける距離が急に短くなった、排尿・排便の違和感がある――このあたりは早めに相談してください。
- 何科に行けばいいか分からない腰痛でも大丈夫ですか?
- 大丈夫です。まずは腰椎を確認し、必要があれば骨盤や股関節なども含めて確認させていただきます。それでもなお説明のつかない腰痛の場合には、紹介まで検討いたします。